JMATとは?活動内容やDMATとの違いは?

JMAT

東日本大震災をはじめ、災害が起きた時に「JMAT」という言葉を耳にしたことがありませんか?

このJMATとは一体なんなのか?DMATとどのような違いがあるのか、どのような活動をしているのかなどJMATについて詳しくご紹介していきます。

JMATとは

JMATというのは日本医師会災害医療チームの名称で、JMATというのは「japan medical association teams」頭文字を取った略称です。

このJMATは一体どのような存在なのかと言うと、被災地に日本医師会が派遣をしている災害医療チームです。


JMATは災害が発生してから3日程度してから被災地に入り、現地の医療体制がある程度まで回復するまでの間は、地域医療を支えるという非常に重要な役割を担っています。

被災地において医療機関が十分に機能していない時など、緊急時に派遣される医療派遣チームとなります。

日本国内において日本医師会というのは、最大の職能団体であると同時に地域医師会を束ねているという立場でもあるため、被災地の医療体制を出来る限り迅速に整える上で重要だということから、JMATが設立されました。

このJMATはアメリカにおける医師会のNDLSの構成を基盤として参考にしながら作られています。

2001年9月11日米国同時多発テロ事件を契機に、2003年に米国医師会、CDC、ジョージア大学、テキサス大学など を中心に、多数傷病者災害に対応出来る災害トレーニングプログラムが設立されました。

このトレーニングプログラムは、National Disaster Life Support: NDLSと名付けられ、米国全体の災害対応トレーニングを標準化し、大規模災害に対するシステムは強化することを目的としています。

引用元:NDLSグローバルトレーニングセンター日本事務局

JMATのチーム構成や派遣期間

JMATは医師を含んだ様々な職種によって1つのチームが構成されています。
チーム構成のパターンはいくつかありますが、基本的には次のような構成になります。

・医師1名
・看護職員2名
・事務職員1名

ぼうちゃん

事務職員は車両の運転、医療事務、記録、情報の収集や派遣元医師会への報告など様々な業務を担当しているんだって!

この構成を基本として、そこにさらに必要であれば歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、診療放射、線技師、救急救命士、栄養士などが派遣されることもあります。

JMATの派遣期間

JMATの派遣期間は日本医師会から、都道府県医師会に要請を行い、実際に派遣され、その派遣が終了するまでとなります。

しかし、緊急時における都道府県医師会の判断によっては、JMAT結成の要請が行われる前に派遣される場合もあります。

その場合には、被災地における都道府県医師会と調整をしながら、派遣元の都道府県医師会から申し込みがあった段階からJMATとみなされます。

具体的な派遣期間は、災害の大きさなどにもよりますが、基本的にはJMAT1チームあたりの派遣期間は3日から1週間が目安となります。

JMATの活動内容とは

JMATの活動内容は次のようになります。

2.活動内容
(1)医療支援と健康管理
①被災地の救護所
②被災地の医療施設(災害発生前からの医療の継続)
③被災地の避難所
④被災地の避難所以外への巡回診療(要配慮者対策、在宅医療、車中泊等を含む。医療
支援が空白・不十分な地域の把握・対応)
⑤被災地の社会福祉施設、介護施設等への医療支援
⑥被災地の活動者(行政、学校関係者など)
(2)公衆衛生支援
・被災地の避難所等における公衆衛生支援と管理
・避難所等の水や食事など栄養状態の把握とその改善、避難者の健康状態チェック、
要援護者の把握とその対策、感染症対策(感染制御)その他の公衆衛生対策
(3)被災地医師会支援
①先遣JMAT・統括JMATによる被災地医師会の災害対策本部への支援と情報収集
②被災地医師会を中心とした現地調整本部や連絡会の設置・運営支援
③派遣先地域の医療ニーズの把握と評価
・主な患者像
・高齢者、難病患者や障害者その他特別に医療・介護支援を必要とする者(要配慮者)
・感染症や他の疾病の発生状況
・追加派遣の要否
・被災者の流動化の有無、撤収時期
(4)被災地行政支援
・被災地医師会とともに、統括JMATによる被災地の災害医療コーディネーターへ
の支援と情報収集・情報連携
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・被災地の保健所、保健センター、保健師、民生委員等の行政関係者との連携
(5)被災地での検視・検案支援(可能な場合のみ)
・警察医会との密な連携による活動を目指す。
(6)現地の情報の収集・把握、及び日本医師会・都道府県医師会・JMAT関係者への
情報の発信と共有
①被災地の医療関係者との連携(3日~1週間程度で交代するJMATに対し、被災地
の患者の状況や地理的特性等を把握しているため。例:在宅患者の状況を把握してい
る保健師や訪問看護師)
②交通ルート(被災地の空港・主要駅・主要道路から派遣先地域へのアクセス、帰路、
燃料確保等)
③被災者の状況(性別・年齢別の避難者数、共同体意識の強弱、自治組織)、被災地まで
の地形・気象条件
④公衆衛生の状況(トイレ、瓦礫による粉塵飛散、ヘドロ・汚泥物質等含む)
⑤被災地の安全性(二次災害の危険性)
⑥医薬品等の不足物資
⑦必要な職種
⑧現地の災害医療コーディネーター・避難所等のリーダー、支援受入れ窓口等
(7)コーディネート機能
相応の経験や知識を持つチームや参加者においては、DMAT等からのコーディネー
ト機能の引き継ぎや、その機能が確立しておらず混乱している地域での指揮命令、ロジ
スティックスが求められる。
(8)その他、被災地のニーズに合わせて支援
・様々なニーズが発生するため、内容と範囲を変えていく必要がある。
・最終的には、被災地の医師会・医療機関に円滑な引き継ぎ
引用元:日本医師会

統括JMATとは

災害が発生してから、被災地の医師会を支援しつつ、情報を細かく把握し、評価したうえで日本医師会に対して被災地から被災地の情報を発信します。
さらに現地で活動するJMATチームを統括しているのが、統括JMATです。

JMATの活動例

それでは、過去にどのような活動をしてきたのか、数多くある活動内容の中からいくつかピックアップしてご紹介します。

・2011年【東日本大震災】
岩手、宮城、福島、茨城の4県に対して、1,384のJMATチームを派遣しています。
病院団体と連携をすることで、全日本病院協会、日本医療法人協会の医療チームなど様々な医療団体に所属するチームもJMATとして被災地で活動を行いました。

・2015年【常総市鬼怒川水害】
避難所生活を贈る避難者500名あまりに対して、診療を行いました。

・2016年【熊本地震】
熊本地震の震源となった益城町において、被災者の体のケア、診療をはじめ、現地の医師会や団体との仲介役となり様々な活動を支援しました。

ぼうちゃん

地震や水害みたいに被災地がパニック状態になっていて、医療機関も混乱している時にJMATが来てくれたら、被災者も現地のお医者さん達もすっごく心強いよね!!!

JMATとDMATの違い

DMATは「Disaster Medical Assistance Team」の頭文字をとって命名された、災害派遣医療チームです。
とは、大規模災害をはじめ、事故などが発生した時に、被災地に派遣される医療チームです。

DMATにも2種類があり、日本DAMTと都道府県DMATとがあります。

DPATとは

DPATは「Disaster Psychiatric Assistance Team」の頭文字をとって命名された、災害医療現場で活躍する医療チームです。

DPATは自治体において組織されており、国立精神・神経医療研究センター内における精神科医、看護師から構成されている、被災者の心のケアを主に活動するチームです。

災害や事故発生から72時間以内に駆けつけ、災害医療提供を行いますが精神的なケアを主に行うDPATは活動期間がJMAT、DMATよりも長期間になる場合が多いです。

JMATの新型コロナウイルスに対する活動

JMATは新型コロナウイルス感染症においても活動しています。
特例的なJMATとして【COVID―19 JMAT】として東京都、福岡県の医師会においてJMATが派遣されています。

軽症者、無症状者の受け入れをする施設や、健康管理部門において活動すると同時に、帰国者接触外来、医師会等が設置した仮診療所に派遣されています。

JMATのダイヤモンドプリンセス号での活躍

日本医師会は2020年2月13日にダイヤモンドプリンセス号にJMAT派遣を決定しました。
そして2月14日にはダイヤモンドプリンセス号に派遣されています。

前述したように、本来であればJMATは地震や台風といった自然災害によって、地域医療に大きな被害が発生した時にその地域の医師会から要請を受けて派遣されます。

しかし、今回の新型コロナウイルスがダイヤモンドプリンセス号内で感染拡大しているのをうけ、国からの要請を受けたために特例として派遣されることになりました。

日本医師会から、ダイヤモンドプリンセス号が停泊している神奈川県医師会、横浜市医師会、川崎市医師会に対して協力を求めました。

日本環境感染学会における災害時感染防御支援チームから協力を受けながら、船内でのCOVID―19を発症していない人の健康状態をチェックするなど活動しました。

ぼうちゃん

このコロナの感染拡大をきっかけに、JMATの存在を知ったという人も多いんじゃないかな?
まだ日本国内に感染が広がっていない段階で、感染拡大を食い止めるためにJMATの人たちは必死で活動してくれていたんだね。